不可抗力条項

(質問)
 不可抗力条項とはどのようなものですか。

(回答)

1 不可抗力のリスク 
 取引先に契約の目的物を届ける途中に交通事故に巻き込まれるとか、海外から商品を輸入し国内で販売する契約を結んでいたところ海外でテロや暴動が発生するなど、思わぬ事態が発生し、それにより契約が履行できなくなるということは現実に生じ得ます。
 そのような場合、不可抗力条項を定めておけば、リスクを最小限に抑えることが可能です。

2 不可抗力の意味 
 「不可抗力」とは、「取引上普通に要求される程度の注意や予防方法を講じてもなお防止できない損害を発生させる事由であり、戦争、内乱、大災害などをいう」とされています。
 ここで、民法第419条第3項は、金銭を支払う債務においては不可抗力をもって抗弁とできないと規定されており、この条項の反対解釈として、金銭債務以外の債務については、不可抗力をもって責任を免れることができるとされています。
 つまり、契約を履行できなかった場合、相手方から損害賠償請求や契約解除をされる危険がありますが、こちらが契約をできなかったのは不可抗力によるためだったということを立証できれば、相手方からの損害賠償請求や解除等の責任追及を封じることができるのです。

3 不可抗力をめぐるトラブル 
 ただ、ここで争いになるのが、何が不可抗力に当たるのか、契約を履行できなかった原因は不可抗力なのか、ということです。
 不可抗力条項は、このような争いを避け、当該条項に該当する事態が生じたことのみの立証で免責されるという効力をもちます。

4 回答 
 不可抗力条項の例は、次のとおりです。

(例)
 「戦争、テロ行為、暴動、天変地変、法令の改廃・制定、公権力による処分・命令、同盟罷業その他の争議行為、輸送機関の事故、その他の不可抗力により、個別契約の全部または一部の履行の遅滞または不能が生じた場合は、甲または乙は互いにその責任を負わない。」