チェンジオブコントロール条項

(質問)
 チェンジオブコントロール条項とはどのようなものですか。

(回答)

1 会社の支配権変更のリスク
 チェンジ・オブ・コントロール条項とは資本拘束条項ともいい、ライセンス契約や代理店契約などの重要な契約を結ぶに当たって、買収などで一方の会社の支配権(control)が変わった(change)場合は、相手方の会社が契約を破棄できるとする条項をいいます。
 つまり、実質的な契約の当事者が変更したことをきっかけとして、契約を解除できる条項というわけです。
 このチェンジ・オブ・コントロール条項は、敵対的買収に対する防衛策として用いられます。なぜなら、チェンジ・オブ・コントロール条項があれば、仮に敵対的買収者が買収に成功しても、重要な契約が買収をきっかけとして破棄されてしまうリスクがあるので、買収した意味がなくなるからです。

2 子会社の離反への対応
 このチェンジ・オブ・コントロール条項が活躍する場面は、敵対的買収に対する防衛策に限られません。
 例えば、ある会社が親会社であることを理由として子会社と契約を締結する場合が考えられます。
 このようなときには、契約を締結した後にこの子会社が別の会社と合併したり、別の会社が親会社となったときは、契約を締結した意味がなくなるので、親会社はいかにして契約の拘束力を免れるかが重要になってきます。
 そこで、あらかじめチェンジ・オブ・コントロール条項を締結していれば、このような場合に契約を解除することによって契約の拘束力を免れることができるのです。

3 子会社への金銭貸与のリスク対応 
 また、子会社に金銭を貸し付ける場面での活用が考えられます。
 具体的には、親会社が変わると、子会社への資金援助が事実上期待できなくなり、子会社の返済に不安が生じるような場合に備えて、親会社が変わった場合には、借主である子会社は期限の利益を喪失し、貸金債務を一括して弁済しなければならないという内容の条項を規定するというものです。

4 回答 
 チェンジ・オブ・コントロール条項の例は、次のとおりです。

(例)
「甲は、乙が合併した場合又は乙の株主が50%を超えて変動した場合は、何ら催告をすることなく本契約を解除することができる。」