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施工写真・デジタルデータのトラブルとリスク管理のポイント

(相談)
 当社では業務効率化のため、現場での写真撮影や施工管理にアプリやデジタルツールを導入しています。
 しかし先日、退職した従業員が過去に担当した現場で、本来撮影すべき箇所とは別の類似した部分の写真を流用していたことが発覚しました。意図的な改ざんではないようですが、発注者や元請からデータ偽装だと責任を追及されたり、工事のやり直しを求められたりしないか不安です。
 会社としてどのような対策をとるべきでしょうか。

(回答)

1 デジタルデータ・写真の管理と法的リスク
 建設現場における工事写真や検査データは、契約通りに適切な施工が行われたことを客観的に証明する極めて重要な証拠です。これらに誤りや、不適切な流用・加工があった場合、たとえ現場担当者「うっかりミスや業務を急ぐための安易な判断であったとしても、会社側は深刻な法的・経営的リスクを負うことになります。
適切な施工が証明できない場合、契約不適合があるものとみなされ、引き渡し後であっても壁や床を壊しての再検査や、施工のやり直し、それに伴う損害賠償を請求される可能性があります。
また、虚偽の施工記録や検査結果を提出した行為は、建設業法における「不正な行為」や「不誠実な行為」に該当する可能性が高く、指示処分や営業停止処分、さらには経営事項審査(経審)の減点といった致命的なペナルティを受ける恐れがあります。
担当者が勝手にやったことという弁解は通用せず、会社の社会的信用が一瞬で失墜するリスクを孕んでいます。

2 具体的な運用
  上記の運用にあたり、参考となるものとして、公共工事の工事写真について定めた「営繕工事写真撮影要領」があります。具体的に、撮影対象、撮影箇所、撮影方法といった撮影の内容から、編集の禁止に関する定め、写真媒体の提出方法についても定めがあります。
 公共工事以外であれば、当事者間に具体的な合意がなければ、双方を拘束するような条項はありません。写真を用いる場合は、私人間の契約でも同様の規約を作成するのが望ましいといえます。

3 適切なルール化
  デジタルツールは非常に便利である反面、データの扱いを誤れば会社を揺るがす大きなリスクに変わります。現場の裁量やモラルに頼るのではなく、会社として正しい記録を残し、それを検証する社内ルールを明確にしておくことが、不当なペナルティを防ぎ、会社の利益と信頼を守る決定的手段となります。
 それこそ規定を作る際には、「営繕工事写真撮影要領」が参考になります。会社のニーズに合わせた規定づくりを希望される場合はご相談ください。