瑕疵を通知すべき期間の特約とは?

(質問)
 当社は,マンションを建設するために更地を購入しましたが,一部を掘り起こしてみたところ,この土地に基礎コンクリートが埋まっており,マンション建設の支障となることが分かりました。
 基礎コンクリートは土地の大部分に埋まっているようです。
 ところで,土地の売主との特約によると,瑕疵担保責任を追及するための瑕疵の通知期限が,3日後に迫っています。
 しかし,土地全体を掘り起こして全容を解明するには,あと2週間ほど時間が必要です。
 果たして,当社は,土地の売主に対し,瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求できるのでしょうか?
 また,マンションの売却先が既に決まっていますが,引渡し期限までに工事を間に合わせるには,追加の費用が必要です。 
 この追加費用についても,損害賠償請求できますか?

(回答)

1 瑕疵の通知 
 買主が,売買の目的物に隠れた瑕疵があることを発見したときは,その旨を売主にして通知しなければ,損害賠償請求ができません。
 本件では,購入した土地にマンション建設の支障となるほどの基礎コンクリートが埋まっていますから,土地には瑕疵があると言えます。
 ただ,本件では,瑕疵を通知すべき期間に特約があり,その期限まであと3日間しかないのに,未だ瑕疵の全容が明らかでないというのです。この場合に損害賠償請求するためには,どのような通知をすればよいのでしょうか。
 この点については,判例があります。判例では,買主に通知義務が課されている理由は,売主に適切な善後策を講ずる機会を速やかに与えるためであるから,瑕疵がある旨を通知するだけでは足りないが,瑕疵の種類及び大体の範囲を明らかにすることで足り,詳細かつ正確な内容の通知である必要はないと判断されました。
 したがって,買主は,売主に適切な善後策を講ずることができる程度に,瑕疵の種類及び大体の範囲を通知すればよいことになります。
 本件では,地中にコンクリート基礎が存在したこと,その範囲は現段階では解明できていないが,建築予定のマンションの基礎工事に必要な範囲全体に及ぶ可能性もあることを通知すれば足りると考えられます。

2 完成のための追加費用
 それでは,期限までにマンションを完成させるための追加費用は,損害賠償の対象になるでしょうか。瑕疵担保責任を根拠とする損害賠償が認められるのは,買主が土地に瑕疵がないと信じたことによって生じた損害に限られます。
 マンションの工事に関して要した追加費用は,土地自体の問題とは異なりますか,追加費用につき瑕疵担保責任に基づいて損害賠償請求することはできません。
 ただし,土地の売主と買主の間で,マンションを建築することが前提とされていた場合のように,基礎コンクリートが埋まっていないことが土地の売買契約の内容となっていたときは,債務不履行責任に基づいて損害賠償請求できる可能性があります。

3 弁護士にご相談を 
 このように,瑕疵の通知の基準が判例によって示されたり,損害賠償請求できるか否かの結論が法律構成によって変わったりする場合がありますので,トラブルが生じたときは,弁護士にご相談いただくことをお勧めします。