少数株主からの株式買取請求

(質問)
 当社は、少数株主A、B、C(各5株で、5%の株式を保有)から株式を買い取りたいと考えています。
 そこで、A、B、Cと任意の買取交渉を行いましたが、全く売ってくれる意思がありませんでした。
 強制的に買い取りたいのですが、そのようなことはできるのでしょうか。

(回答)

1 特別支配株主の株式等売渡請求
 特に中小企業からは、いわゆる「うるさ型」の株主を排除したり、将来のM&Aに備えて、少数株主から株式を強制的に買い取りたい(スクイーズ・アウト)という相談を受けることがあります。
 まず、特別支払株主の株式等売渡請求とは、株式会社の特別支配株主(総株主の議決権の10分の9以上を直接又は間接に保有する株主)が当該株式会社の株主の全員に対して、その有する株式の全部を売り渡すことを請求することができるという制度です。
 しかし、本件では、A、B、Cは合計で15%の株式を保有しているので、この制度は使えません。

2 株式併合
 そこで、次に、株式併合を検討することになります。
 株式併合とは、数株を1株などに統合する制度であり、株主総会の特別決議により行うことができます。
 例えば10株を1株に株式併合すると、A、B、Cはそれぞれ0.5株となり、端数部分は貴社が競売して代金を交付するか、A、B、Cの買取請求手続によりA、B、Cの持株をなくすことが可能になります。

3 全部取得条項付種類株式
 全部取得条項付種類株式とは、株主総会の特別決議によりその種類の株式の全部を会社が取得するという内容の種類株式です。
 貴社は既発行の株式を全部取得条項付種類株式にして取得の対価として、A、B、Cに対し、「1対0.1」の割合で他の種類株式を発行すれば、A、B、Cの株式は株式併合と同様の処理ができることになります。

4 まとめ
 株式併合も全部取得条項付種類株式も特別決議が必要である点は同様ですが、全部取得条項付種類株式は、通常の株主総会のほか、種類株主総会の決議が必要となるなど手続が煩雑なので、株式併合の方法により、スクイーズ・アウトを行うことをお勧めします。