懲戒処分を行う手続の注意事項

(質問)
 当社では、従業員が遅刻、早退を繰り返すので、減給か出勤停止の懲戒処分を行いたいと考えています。
どのような手続で懲戒処分を行えば良いでしょうか。

(回答)

1 懲戒処分の種類
 懲戒処分としては、戒告、譴責、減給、出勤停止、降職・降格、諭旨解雇、懲戒解雇があります。
減給については、労働基準法第91条が就業規則の減給の制裁を定める場合は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1か月分の賃金の総額の10%を超えてはいけないとされています。
一方、出勤停止はその期間についての法律上の規制はありません。しかし、長期間にわたる出勤停止は、懲戒事由とのバランスにおいて客観的合理性・社会的相当性を欠くと判断されるリスクがある点に注意する必要があります。

2 非違行為発生時の対応
 従業員が非違行為を行った場合、企業は、次のような段階的対応を行っていくことになります。

 ア 事実関係の調査と証拠化
   後で裁判等で懲戒処分の合理性・相当性を争われるリスクがあるので、当該従業員や関係者の当該従業  員の非違行為に関する事実の書面化や、場合によっては会話の録音等が必要になります。
   
 イ 本人の弁明
   不利益な処分を課す以上、本人の弁明を聴くことは、誤った処分を防ぐためにも大変重要です。

 ウ 段階的な処分
   懲戒処分は段階的であることが要求されます。重大な非違行為でない限り、懲戒解雇を行うことはでき  ず、イエローカードが必要ということです。
   企業は、証拠により認定された非違事実を踏まえて、本人に弁明の機会を与えつつ、段階的にきちんと  懲戒処分を行って、本人に反省の機会を与えるとともに、教育する必要があります。

3 回答
 貴社は、従業員の非違行為の事実の確認、非違行為の就業規則の懲戒事由の該当性の確認、当該従業員の弁明、過去の懲戒処分の量定との比較等を踏まえて、必要に応じて懲戒委員会(ケースに応じて弁護士等の第三者も加えても良い。)で審議して、合理的かつ相当な懲戒処分を検討すべきです。