設計図,建築物の著作権について

(質問)
 当社は住宅の建築設計・施工を主な事業としています。
 そして,当社は,これまでの一般的な住宅とは異なる,独創的なデザインや機能をもつ住宅を積極的に展開しようと考えています。
 当社の事業が成功した場合,当社が設計・施行した住宅を他の会社に勝手に模倣されたくないと考えていますが,法的に当社は保護されるのでしょうか。

(回答)

1 設計図,建築物の著作権 
 貴社の設計や施工が法的に保護されるかは,貴社が作成した設計図(著作権法第10条1項6号),及び貴社が施行した建築物(同法同条項第5号)が著作権によって保護されるか否かによると言えます。
 まず,著作権は,著作物について発生する権利ですので,貴社が設計した設計図や貴社が施行した建築物が著作物として認められなければ,著作権は発生しません。
 ここで,著作物とは,「思想又は感情を創作的に表現したものであって,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するものをいう」(同法第2条1項)とされています。
 そして,いかなる設計図や建築物が著作物として認められるかは,一義的な基準があるわけではなく,美術性・創造性・独創性・芸術性から総合的に判断されます。
 貴社が著作物に該当すると考えても,他者がこれを否定した場合には,最終的には裁判所で判断されることとなります。

2 著作権の内容 
 次に,著作権は,大きく著作財産権と著作人格権に分かれます。
 著作財産権には様々な権利が含まれますが,建築に関しては他人に複製されない権利が主なものとなります。
 また,著作者人格権は,公表するか否か,氏名を表示するか否かを自由に決める権利,及び勝手に改変されない権利の総称です。

2 著作権の内容 
 次に,著作権は,大きく著作財産権と著作人格権に分かれます。
 著作財産権には様々な権利が含まれますが,建築に関しては他人に複製されない権利が主なものとなります。
 また,著作者人格権は,公表するか否か,氏名を表示するか否かを自由に決める権利,及び勝手に改変されない権利の総称です。

3 著作権侵害の場合の会社対応 
 貴社の設計図や建築物が著作物に該当する場合,第三者が勝手にこれらを複製すると,第三者は貴社の著作権を侵害したことになります。
 この場合,貴社は,まず侵害行為の停止及び予防を請求できます(同法112条)。
 また,第三者の複製行為により貴社が損害を被った場合は,貴社は第三者に損害賠償請求(民法709条)及び名誉回復のための措置(謝罪広告など)を請求できます(著作権法115条)。
 そして,貴社が被った損害を立証することは困難であるため,著作権法では複製行為を行った者が得た利益を損害と推定するとされています(同法114条)。
 なお,著作権侵害には刑事罰も科せられます(同法119条)。
 以上のように,著作物であれば著作権法によって手厚い保護が受けられるため,貴社の作成した設計図や建築物が著作物に該当するか否かが重要なポイントになると言えます。