取締役会における利害関係

(質問)
 当社は、いわゆる非公開会社で、取締役会設置会社ですが、今般、株主Aが保有している株式を取締役Yに譲渡することになりました。
 3名の取締役の内1名が取締役会を欠席したので、Yともう1名の取締役で株式譲渡の承認決議を行いましたが、何か問題になるでしょうか。

(回答)

1 取締役会決議の方法 
 有効な取締役会決議の要件は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合には、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合には、その割合以上)が賛成することです。

2 特別の利害関係 
 ただし、決議に特別の利害関係を有する取締役は議決に加わることができません。
 特別利害関係取締役の数は、定足数・決議要件の数に算入しませんが、当該取締役に対する招集通知は必要であることに注意が必要です(東京地方裁判所昭和63年8月23日判決)。
 また、議長となっている取締役が特定の議題について特別利害関係を有する取締役に当たる場合は、当該取締役は議長にはなれないとされています(最高裁判所平成4年9月10日判決)。

3 特別利害関係取締役にあたるとされる例 
 ①譲渡制限株式の譲渡承認を受ける取締役
 ②競業取引・利益相反取引の承認を受ける取締役
 ③会社に対する責任の一部免除を受ける取締役
 ④代表取締役の解任決議における解任の対象たる代表取締役等

4 特別利害関係取締役にあたらないとされる例 
 ①代表取締役の選任決議における代表取締役候補者
 ②各取締役の具体的な報酬額の決定をする取締役会において、報酬を受けるべき取締役等

5 回答 
 Yは株式の譲渡承認を受ける取締役で、譲渡承認決議に利害関係を有することになるので、株式譲渡承認の議決に加わることはできません。
 しかし、Yがこの議決に加わっているので、貴社の取締役会決議には瑕疵があることになり、決議は無効になるので、改めて決議をやり直すべきです。