13日間の連続勤務のリスク

(質問)  
 当社では繁忙期に人手が足りず,ある従業員が13日の連続勤務になってしまいました。
 これは違法でしょうか。

(回答)

1 繁忙期のリスク
 一般的に、企業には、繁忙期等があり、特定の時期に従業員に集中的に勤務してもらう必要が生ずる場合があります。その場合に、休日や時間外労働に関する法令に違反したり、従業員が疲労による集中力の低下に伴う労働災害を起こすなどのリスクが生じてしまいます。
 中小企業としては、繁忙期には、有期雇用のパートタイマーや派遣労働者を雇用して人材面での対応を考えるほか、変形週休制や変形労働時間を利用することを検討することになります。

2 法定休日とは
 労働基準法第35条第1項は、「使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない」と規定しています。
 ここにいう、「毎週」とは「7日の期間毎に」の意味です。
 したがって、例えば、ある月の1日が日曜日で休日として、次の週の14日の月曜日を休日とすれば違法ではなく、12日間の連続勤務は可能になります。

3 変形週体制とは
 では、13日間の連続勤務を可能にする制度はないのでしょうか。
 同法35条第2項では、「前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない」と規定されています。これは、特定の4週間において4日の休日が与えられていれば良いとの趣旨であり、これを「変形週休制」といいます。この変形週休制を利用するには、就業規則において単位となる4週間(又はそれより短い期間)の起算日を定める必要があります(同法施行規則第12条の2第2項)。
 具体的には、1か月単位の変形労働時間制であれば賃金の計算期間に合わせて起算日を定めることにより、例えば、賃金の計算が20日締めなら毎月21日が起算日になります。

4 変形労働時間とは
 ご質問は、変形週休制についてですが、中小企業の繁忙期対応のための制度として、ここで変形労働時間にも言及しておきます。
 変形労働時間制という制度を採ることにより、週40時間を超える労働時間を定めることも可能となります。
 これは一定の単位期間について、労働基準法上の労働時間の規制を、1週及び1日単位ではなく、単位期間における週当たりの平均労働時間によって考える制度です。
 具体的には、1か月単位の変形労働時間制の場合、1日~24日が1日6時間30分労働(土・日休日)、25日以降が1日9時間労働(日休日)といった方法です。

5 回答
 貴社においては、就業規則で特定の4週間について4日の休日を取るという変形週休制を採っていれば、13日の連続勤務も違法ではありません。
 逆に、就業規則に変形週休制の規定がないと、13日連続勤務は違法になります。