ブラックバイト先に入ってしまったらどうする?

(質問)
 アルバイトを始めたのですが,サービス残業やノルマを課せられたりと,学業に支障が出ているので店長に辞めたい旨伝えたのですが,辞めさせてくれませんでした。
 どうしたらいいでしょうか?

(回答)

1 ブラックバイトとは  
 ブラックバイトという言葉は最近使われ始めた言葉であり,正確な定義は存在しません。
 一般的には学生であることを尊重させない働かせ方をするアルバイトを指します。 
 学生であることを尊重させない働かせ方の具体例は,低賃金であるにも関わらず正規雇用者と同程度の義務やノルマを課したり,学生生活に支障をきたすほどの長時間労働をさせるなどが挙げられます。
 このようなアルバイト先に入ってしまっては,学生としての本分を果たすことはできません。
 そこで,まず入ろうと思っているアルバイト先が,ブラックバイトか否かを判断する必要があります。

2 ブラックバイトの4特徴 
(1) 契約や希望を無視してシフトを組む・テスト前に休ませてくれない。
 バイト先と学生との間の契約に反して授業や試験に支障がでるようなシフトを組むことは契約違反及び労働基準法(労基法)違反となります。
 また,心身の健康を害するような長時間労働も労基法違反となります。
(2) 労働時間に見合った給与を支払わない。
 労働時間とは実労働時間をいいます。そして,この実労働時間には,実際に作業を行う実作業時間のみならず,作業の準備・整理を行う時間や作業のために待機している時間(手持時間)も含まれます。
 したがって,これらの時間に対してもアルバイト代は発生するものですから,アルバイト代の未払いは労基法違反となります。
(3) 仕事のミスに賃金カットを行う居酒屋でたまに陶器の皿の割れる音とともにアルバイトらしき店員が「失礼しました~。」と言っているのを耳にします。
 では,この割れた皿の損害金は誰が負担しているのでしょうか。
 「皿を割ったらバイト代から皿の代金引かれていた」という学生の声を聞くことがありますが,仕事上のミスに違約金を課すのは労基法違反とされています。
(4) 上司によるパワハラ等のハラスメントがある。
 上司が怒鳴ったり脅したりする行為はパワハラにあたります。この行為は民法上の不法行為に該当する可能性が高いといえます。また,上司が指導と称して殴ってきたりすれば,その行為は刑法上の暴行罪に該当します。
 このようなブラックバイトかどうかは,上級生に聞けばウワサとして教えてくれることも多いので,まずはブラックバイトに該当するか否かを判断してから面接に行くようアドバイスされることをお勧めします。

3 ブラックバイト先に入ってしまったら 
 では,もしブラックバイト先に入ってしまったらどのように対処すれば良いのでしょうか。
 まず,アルバイト代未払いや違約金などの労基法違反に関しては労働基準監督署に申告して下さい。申告により,アルバイト先に指導が入り,改善が期待できます。
 改善が見込まれない場合や耐えきれない場合には,すぐに辞めることが可能です。 
 例えば,当初の契約条件と異なりテスト前に休ませてくれない場合は,労基法第15条第2項に基づき「即時に」辞めることができます。
 また,バイト先に他の労基法違反がある場合にも「やむを得ない事由」があるとして民法628条に基づき「直ちに」辞めることができます。
 そして,辞めた後でも未払いアルバイト代や残業代の支払いを求めることはできますので,泣き寝入りはせず,労働基準監督署か弁護士に御相談されることをおすすめします。